慶應義塾大学理工学部生命情報学科の川上了史専任講師と宮本憲二教授、および信州大学繊維学部応用生物科学科の新井亮一准教授らのグループは、分子が自発的に組み上がる自己組織化という現象を利用して、サッカーボール形状のタンパク質ナノ粒子「TIP60」の構築に成功しました。TIP60は設計のとおり直径22 nm程度で内部が空洞の均質な球状分子であり、内部の空洞に小さな有機化合物を導入することや、TIP60同士を集合させてより大きな構造を作り出すことができます。これらの成果から、薬物を導入したナノカプセルとしての利用や、新たな分子構造を持ったナノ材料を作り出すためのナノブロックとしての利用など、ナノテクノロジーの発展に寄与することが期待されます。
本研究成果は学術雑誌Angewandte Chemie International Editionへの掲載に先立ち、同誌Webサイトにてオンライン速報版が8月24日に公開されました。
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