慶應義塾

未知の小腸がん遺伝子「COPA」を発見

-新たな発がん経路を解明-

公開日:2026.06.15
広報室

慶應義塾大学医学部

国立研究開発法人国立がん研究センター

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)

慶應義塾大学医学部医化学教室の藤井正幸准教授、佐藤俊朗教授、同病理学教室の猜都尚子(あべとなおこ)助教(国立がん研究センター中央病院任意研修生)、関根茂樹教授らの研究グループは、小腸腫瘍の新たな原因となるCOPA遺伝子変異を発見しました。

これまで小腸腫瘍の多くは、比較的平坦な形をした腫瘍として知られてきました。一方、本研究では、丈の高い隆起型の小腸腫瘍が、COPA変異を起源としていることを明らかにしました。これにより、小腸腫瘍には形の異なる発がん経路が存在することが示されました。

特に、COPAは細胞内でタンパク質を運ぶ役割を持つ分子であり、これまでに知られてきた、細胞の増殖を直接促すがん遺伝子とはまったく異なるタイプです。研究チームは、この変異を正常な腸の幹細胞に導入することで、実際に腫瘍が形成されることを実証しました。

さらに、COPA変異を持つ腫瘍の一部は、小腸がんへ進行しやすいこともわかりました。また、COPA変異腫瘍は特殊な増殖因子への依存性を示すため、今後、新しい診断法や治療法につながることが期待されます。

本研究成果の詳細は、2026年6月12日(英国時間)に英科学誌Nature Genetics電子版に掲載されました。

プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。

プレスリリース(PDF)