慶應義塾大学(塾長:伊藤公平)、日本電気株式会社(代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:森田隆之、以下NEC)、株式会社KDDI総合研究所(代表取締役所長:中村元、以下KDDI総合研究所)、の3機関は、総務省委託研究 研究開発課題「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」の技術課題Ⅲ「高効率光アクセスメトロ技術」(平成30年度~令和3年度)(JPMI00316)に取り組み、異なる複数のベンダの伝送装置で構成されたオープン光ネットワークにおいても、共通に監視及び制御することが可能な技術を研究開発(以下、本研究開発)し、信頼性の高い光ネットワークの構築が可能となることを実証しました。
オープン光ネットワークは、更改周期や更新時期の異なる光ネットワークの機能モジュール(トランスポンダ、ROADM機能等)を適時適所に導入可能であり、光ネットワーク全体の装置コストの低減が期待されています。一方で、光信号品質の担保や装置制御の複雑化、障害特定・復旧の困難さが増大することが予想され、オペレーションコストの増大や信頼性の低下が懸念されていました。
本研究開発では、リアルタイム監視、マルチベンダ制御、高可用ルーティング技術を確立し、国内外の5ベンダの伝送装置から構成されるテストベッドにて、光ファイバ障害やトランスポンダ障害時の自動障害復旧が可能であることを確認しました。これにより、運用コストの増加を抑えると共に高信頼なマルチベンダ光ネットワークを構成できることを実証し、今後のマルチベンダ対応光ネットワークの実用化に道筋をつけることができました。
なお、本研究開発は、慶應義塾大学理工学部山中研究室、NEC、KDDI総合研究所ら(以下、本研究グループ)によって実施しました。