大阪大学感染症総合教育研究拠点の村上道夫特任教授(常勤)、三浦麻子教授(大阪大学大学院人間科学研究科、感染症総合教育研究拠点兼任)、平石界教授(慶應義塾大学文学部)、山縣芽生さん(大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程3年)、中西大輔教授(広島修道大学健康科学部)らの研究グループは「新型コロナ感染は自業自得」と考える人の特徴を世界で初めて明らかにしました。
これまで、新型コロナに感染したのは自業自得であると考える人の割合は、日本において他国よりも高いことが知られていました。しかし、新型コロナ感染は自業自得と考える人の特徴は検討されていませんでした。
今回、本研究グループは、2020年8月時点のアンケート調査結果を用い、新型コロナ感染流行早期におけるその特徴を調べました。その結果、「新型コロナ感染を自業自得と思うこと」と最も強く関連するのは、「非常時における政府の行動制限に賛成すること」だとわかりました。さらに、「平均的な日本人が新型コロナに感染する可能性は低いと思う人」や、若年者や男性の方が、新型コロナ感染は自業自得と思う傾向がありましたが、その関連は弱いものでした。また、回答者の居住地域、居住地域の人口密度、学歴、職業は関連がありませんでした。
この研究は、日本人の新型コロナ感染症禍で生じる感染者への偏見に関する基盤的知見を提供するもので、今後、新型コロナ感染症に関する偏見の課題解決につながることが期待されます。
本研究成果は、英国・米国の科学誌「PeerJ」に、2022年12月19日(月)午後9時(日本時間)に公開されました。