慶應義塾大学医学部外科学教室(一般・消化器)の東尚伸(大学院医学研究科博士課程4年生)、八木洋専任講師、北川雄光教授らの研究グループは、動物の肝臓から主にコラーゲンなどの有効成分を残しバイオ臓器骨格を取り出す「脱細胞」という技術を応用して、世界で初めてヒトにも応用可能な大きさのバイオ人工肝臓を作製し、動物への移植を成功させました。このバイオ人工肝臓にはブタの細胞が使われており、肝臓障害を持つブタに移植したところ、1ヶ月に渡って人工肝臓が機能し、肝障害の治療効果を示しました。今後は、この成果を元にヒトのiPS細胞などを用いて、ヒトに移植できるバイオ人工肝臓を完成させ、臓器再生医療の実現化を目指す計画です。
本研究成果は、2021年12月22日(日本時間)に国際学術雑誌『American Journal of Transplantation』オンライン版に掲載されました。