新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの終息を目指して、世界中でワクチン接種が進んでいます。日本ではファイザー、モデルナ、アストラゼネカ社製のワクチンが承認され、ファイザー社のワクチン、それに続きモデルナ社製ワクチン、アストラゼネカ社製ワクチンの接種が実施されています。国内でもファイザー社製ワクチンに関する効果や副反応を調べた研究がいくつか発表されてきていますが、新型コロナウイルスワクチンの効果を多面的に評価した大規模な研究は少なく、特に開始時期が遅く職域接種を中心に使用されたモデルナ社製ワクチンを受けた日本人集団に関する効果や副反応を調べた研究は限られています。
そこで、モデルナ社製ワクチン接種による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する液性免疫(抗体などによる免疫)、細胞性免疫(免疫細胞による免疫)の獲得率や副反応の出現状況、そして副反応と免疫獲得に関する関連性を評価することを目的とした大規模臨床研究を、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと実施いたします。本学の大学職域接種でモデルナ社製ワクチン接種を受けた本学の学生や教職員3,000名を対象として、新型コロナウイルス抗体価や細胞性免疫、副反応の出現状況に関して調査をします。
本研究により、職域接種等でモデルナ社製新型コロナウイルスワクチン接種を受けた方が、どの程度、免疫を獲得し、現在保有しているのか、副反応が出現したのか等が明らかになると期待されます。また、本研究によって得られる知見・検体は今後の日本の感染症対策、ワクチン戦略等、公衆衛生上大きなメリットがあると考えられ、REBIND(新興・再興感染症データバンク事業ナショナル・リポジトリ)との協働を通じて本研究で得られる成果を広く社会に還元していくことを目指します。