慶應義塾大学理工学部機械工学科の大村亮教授は株式会社IHI、オタワ大学と共同で、世界で初めてオゾンを安定的に貯蔵し、連続でオゾンハイドレートを生成する技術を開発しました。本技術で研究対象とされているオゾンガスは、新型コロナウイルスの不活性化にも効果があるとされています。
従来殺菌剤にはハロゲン・強酸強塩基が使われてきましたが、環境に悪影響であることから、強い殺菌作用を持つ上に環境親和性が高いオゾンの利用がこれまで検討されてきました。しかし保存が難しいために利用方法が限られており、オゾンを安定的に貯蔵する技術が必要とされてきました。
本研究では、オゾンを高濃度かつ長期間保存可能な世界唯一の技術であるオゾンハイドレートの製造技術を開発し、オゾンハイドレートの高速・大量生成を成功させました。オゾンガスは新型コロナウイルスの不活性化だけでなく、食品や水道水の除菌・殺菌にも有効であり、本技術をさまざまな産業に利用することが期待されています。