慶應義塾大学理工学部の古川良明准教授、徳田栄一助教(研究当時。現・日本大学薬学部専任講師)は、独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター脳神経内科の大原慎司副院長(現・飯田病院神経内科)、岐阜薬科大学薬物治療学の保住功教授、兵庫医科大学生化学講座の藤原範子教授らとの共同研究で、神経変性疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者から採取した脳脊髄液に、極めて細胞毒性の高いSOD1タンパク質が含まれていることを世界で初めて発見しました。SOD1タンパク質をコードするSOD1遺伝子に変異が生じるとALSが発症することは以前から知られていましたが、遺伝的な背景が明らかでない孤発性のALSにおいてもSOD1タンパク質が異常化し、病気の発症に関与していることが示唆されます。ALS症例の90~95%が孤発性のALSであることからも、本研究における発見はALSの発症メカニズムや治療法の開発を考える上で非常に重要です。
これらの研究成果は文部科学省科学研究費助成事業 新学術領域研究「生命金属科学」などの支援のもとに行われたもので、その研究成果は国際科学誌Molecular Neurodegenerationに、2019年11月19日にオンライン版で発表されました。
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