慶應義塾大学病院神経内科診療科部長の中原仁教授、診療科副部長 の高橋愼一准教授らは、慶應義塾大学医学部生理学教室の岡野栄之教授らとともに疾患特異的iPS細胞を用いた創薬技術を応用し新たに見出したALS治療薬の候補、ロピニロール塩酸塩(本治験薬)の安全性・有効性を評価するための第I/IIa相医師主導治験を開始しました。本治験は、有効な治療法に乏しいALS患者さんを対象に慶應義塾大学病院にて実施する予定です。
本治験薬は、これまでパーキンソン病の治療薬として1996年から世界中で広く使用されてきた薬です。日本における使用経験も数多く蓄積されており、1日1回の投薬で効果が持続するもの(徐放錠)もあります。本治験は患者さんに負担の少ない徐放錠を使用しています。
岡野教授のグループでは、神経疾患を持つ患者さん由来の組織からiPS細胞を樹立し(疾患特異的iPS細胞)、長年にわたり研究を進めてきました。ALSは、これまで適切な病態モデルがなく動物実験を介した研究が困難でしたが、岡野教授のグループは、患者さん由来のiPS細胞モデルを駆使した革新的なドラッグスクリーニングの手法を開発し、有望なALS治療薬の候補を同定しました。
本治験が、これまで有効な治療法に乏しかった重度の神経難病であるALS患者さんに大いなる福音となることが期待されます。
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