2021年に慶應義塾に寄贈されたセンチュリー赤尾コレクションには、古筆学者 小松茂美(1925~2010)の約15,000冊におよぶ旧蔵書が含まれています。この蔵書の最大の特色は「文字を書く」営みに関わる日本の古典籍を、他に類を見ない幅広さで蒐集していることです。
現在、慶應義塾大学附属研究所 斯道文庫では、この膨大な蔵書の再調査と目録化を進めています。本展では、驚きに満ちた古典籍調査の過程とともに、ユニークすぎる小松茂美の蔵書コレクションの一端をご紹介します。珍しいもの、ありふれたもの、著名人がかつて持っていたもの、どこにもタイトルのないもの、何だかよくわからない不思議なもの……バリエーション豊かな書物の森に分け入ってみましょう。