慶應義塾大学医学部眼科学教室の栗原俊英准教授、堅田侑作特任助教、同先端医科学研究所・脳科学研究部門の田中謙二教授らの研究グループは、光受容を制御する神経回路を精査する中で、光遺伝学(オプトジェネティクス)を利用した視覚再生遺伝子治療の効果を向上させる手法を発見し、これにスターバーストアマクリン細胞が関わっていることを世界で初めて確認しました。
光遺伝学を利用した視覚再生遺伝子治療法は、若者の失明原因のトップである網膜色素変性症をはじめとした失明難病疾患を克服する技術の一つとして注目を集めているものです。既に海外では治験も行われていますが、従来の手法だけでは視力を取り戻すまでは難しく、さらなる改善が必要とされています。今回、動物実験において視力を取り戻せる方法論を確認し、今後の視覚再生治療の実用化に応用されることが期待されます。
本研究成果は、2023年5月11日(グリニッジ標準時)に Molecular Therapy - Methods & Clinical Development に掲載されました。