慶應義塾大学理工学部の土居信英教授らは、ヒト胎盤形成における細胞融合に関与するタンパク質であるシンシチン1の部分ペプチド(膜融合ペプチド;FP)が、従来の細胞膜透過性ペプチド(CPP)によるタンパク質の細胞質への送達効率を数十倍向上させることを発見しました。抗体などのタンパク質やもっと小さなペプチドからなる医薬品は究極の分子標的薬として注目されていますが、細胞膜透過性が低いという欠点がありました。今回、発見したヒト由来FPは、これらのバイオ医薬品を従来よりも効率よく細胞質に運ぶことが期待できるとともに、初めて見出されたヒト由来のFPであり免疫原性の懸念が少ないという利点もあります。本研究成果は2017年4月4日に国際学術誌「Journal of Controlled Release」オンライン版に掲載されました。
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