三田キャンパスでは、2017年2月より図書館旧館の改修工事を行っています。工事開始から約1年が経過した現在、工事は順調に進行しており、免震レトロフィット工法による建物下の掘削が進んでいます。建物が地面から切り離され、地下に大きな空間ができている状況です。しばらく掘削作業を繰り返した後、耐圧コンクリートを打設し、免震装置を設置していきます。
今回の改修工事においては、図書館旧館の屋根骨組みの耐震対策についても検討しました。図書館旧館は、1945年の東京山の手空襲により、屋根のほとんどを焼失しています。空襲後に戦後の資材不足の状況で復旧工事が施されたため、第一書庫の骨組みは火災による熱で曲がった状態のままとなっています。
当初は、安全対策のため曲がった鉄骨に補強材を施すことを計画していましたが、工事終了後は立ち入り禁止区域として閉鎖し、戦争の遺構を伝えるためにあえて何も施さずに後世に残していくこととしました。
なお、昨年12月には、図書館旧館を長く残していくためにどのような工夫がなされているのかを紹介したテレビ番組「地震から守れ!ニッポンの建築遺産」がBSジャパンにて放送されました。
今後も、改修工事の進捗状況については、定期的にお知らせします。