7月5日(水)、三田演説館にて、慶應義塾の伝統行事である三田演説会が開催されました。第704回となる今回は井田良名誉教授・中央大学大学院法務研究科教授により、「社会の変化と刑法の変化」というテーマで講演が行われました。
井田名誉教授は、まずここ30年間の刑法の変化ということで、重罰化・厳罰化と処罰の早期化の傾向があることを説明し、その社会的要因には憂慮すべきものが含まれ、今後の日本の刑法を望ましくない方向に導くおそれがあると述べました。また、死刑制度や、まさに先の国会で可決され報道でも大きく取りあげられた法案などを例にあげて具体的かつ、わかりやすく説明し、「人」と「社会」に関する学際科学であるという刑法学の魅力も語るものとなりました。井田名誉教授は、重いテーマが続くなかでも、ユーモアを交えて語るなど、会場を沸かせました。
当日は、蒸し暑い中での開催でしたが、会場には義塾の教員、学生や一般の方を含む多くの聴講者が訪れ、立ち見が出るほどの盛況となりました。質疑応答では具体的な判決に関する質問がなされるなど、熱気につつまれて終了しました。
三田演説会
講演概要/講師略歴等