慶應義塾大学大学院理工学研究科の楊柳(博士課程3年・研究当時)、同大学理工学部物理学科の小川佳祐(学部4年)、藤井瞬助教らの研究グループは、西安交通大学との国際共同研究により、これまで微小光共振器から生成される光周波数コム(マイクロコム)には不利と考えられてきた結晶の光学特性を活用することで、マイクロコムの出力パワーと効率を飛躍的に向上させることに成功しました。
本研究では、単軸光学結晶であるフッ化マグネシウムの複屈折性と、それによって生じる光の振る舞いの変化を巧みに利用し、マイクロコムにおける新たな高出力動作領域を実現しました。これにより、従来は低効率が大きな課題であったソリトンマイクロコムにおいて、15GHz帯の高い繰り返し周波数を保ちながら、平均出力約38ミリワット、変換効率28%を達成しました。
本成果は、光増幅器を必要としない高効率かつ低雑音な信号生成を可能とし、次世代通信、精密計測など幅広い分野でのマイクロコム技術の実用性を大きく前進させるものです。
本研究成果は、2026年1月26日(日本時間)に、アメリカ物理学会が出版する物理学専門誌 Physical Review Letters に掲載され、特に注目すべき成果として編集部推薦論文「Editors’ Suggestion」に選定されました。