慶應義塾大学文学部の板口典弘准教授は、静岡大学情報学部の宮崎真研究室、ヤマハ発動機(三木将行)との共同研究により、1時間の休憩を挟んでもう一度VR(Virtual Reality)シミュレータを体験することで、シミュレータ酔い(VR酔い)を低減できることを明らかにしました。
ドライブシミュレータを利用すると、しばしば酔いが生じます。このような酔いは、シミュレータを繰り返し体験し慣れることで低減できる可能性がある一方、体験の時間間隔が短ければ酔いが悪化してしまう危険性もあります。
本研究はこの問題に取り組むため、VRバイクシミュレータを用いた実験を行いました。その結果、主観的に酔いが消えたと判断した直後に再度シミュレータを体験した場合には酔いは低減しなかったのに対し、1時間の休憩を挟んだ場合には酔いの低減が生じることが明らかとなりました。
本成果は、VRシミュレータの利用に伴う酔いの問題の解決だけでなく、自動車や船舶といった乗り物酔い、ゲームや教育コンテンツなどの幅広いVRシステムの利用に伴う映像酔いの問題の解決にも応用されることが期待されます。
本研究成果は、オンライン科学ジャーナル「Scientific Reports」(Nature Publishing Group発行)に2024年9月22日付(日本時間18時)に掲載されます。