株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と慶應義塾大学ハプティクス研究センター(以下、慶大)は、慶大が開発したロボティクス技術「リアルハプティクス®」を活用したロボットの無線遠隔操作実現に向け、5G高信頼低遅延通信URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications、以下URLLC)を用いた実証実験を行い、ヒトの手を動かして感じ取れる手応えを最大96%再現することに成功しました。URLLCとアプリケーションを接続した実験は日本初の取組みです。
「リアルハプティクス」は、ヒトの指先や手のひらを動かして感じ取れる手応えをロボット上で再現可能な、慶大が開発した独自技術です。ヒトが感じる繊細な感覚を遠隔地に伝える「リアルハプティクス」を実現するためには、低遅延な通信状態を変動なく保つ必要があります。遅延時間やその変動が大きい場合、操作側とロボット側で同期がとれず、ロボットが制御不能な状態へ陥ってしまうため、モバイルデータ通信環境における「リアルハプティクス」を用いた遠隔操作ロボットの実現は困難でした。今回、5G evolutionの実現に必要な要件の一つで、超高信頼かつ低遅延の無線技術であるURLLCを活用し、遅延時間の変動を限りなく抑えることで、「リアルハプティクス」を用いたロボットの無線遠隔操作において、本物の物体を直接つかむ手応えに限りなく近い水準である再現度96%を実現することに成功しました。
この実証実験の成功により、モバイルネットワーク上でヒトの手を動かして感じ取れる手応えを、いつでも、どこでも、ロボット上で再現可能とすることで、屋外での利用はもちろん立ち入ることの難しい場所での活用など、新たなユースケースの広がりやロボット市場の拡大が期待できます。