慶應義塾大学環境情報学部のパトリック・サベジ准教授を代表とし、同大学院政策・メディア研究科 サミュエル・パスモア特任助教、同大学院政策・メディア研究科修士課程 千葉楽斗、同環境情報学部 鈴木治夫准教授らを共同研究者とした国際研究チームは、2022年2月3日に学術誌『Current Biology』に研究論文を発表しました。
このチームは、民謡10,062曲(英米民謡4,125曲、日本民謡5,937曲)のメロディーを分析し、変化を伴う系統を通じて民謡のメロディーは進化することを示し、分子遺伝学用に開発されたアラインメントアルゴリズムを用いて、民謡のメロディーが文化的環境に応じて予測可能な変化をすることを発見しました。例えば、曲の中でリズムの役割を担う音符は装飾音よりも変化しにくく、演奏者は別の音に置き換えることよりも追加したり削除したりする傾向があり、置き換えが起こる場合は隣り合った音符になる可能性が高いなどです。
これらの結果から音楽のような創造的な芸術形式は、遺伝子や言語、その他の文化領域の進化を支配する制約に類似して、異文化間で規則的な進化の制約を受けていることを明らかにしました。