江戸時代には、欠けた書物を分割し、書の美術品である古筆切(こひつぎれ)として、鑑賞、蒐集することが流行し、筆跡鑑定を職業とする古筆家(こひつけ)が成立しました。
2021年に(財)センチュリー文化財団より慶應義塾に寄贈いただいた「センチュリー赤尾コレクション」には、江戸初期から昭和期までの約300年の鑑定活動を通じて、古筆本家に集積した膨大な資料や記録などがまとまって存在しています。現在整理作業を進めていますが、その学術的価値の高さは計り知れません。本展では、その一部を初公開するとともに、慶應義塾の所蔵作品を加えて、古筆家の人々の活動と、鑑定文化を紹介します。