岡山大学学術研究院自然科学学域(理・生物)の松井鉄平准教授と生理学研究所のトラン・ファム(Trung Quang Pham)特任助教、慶應義塾大学(理工学部)の地村弘二准教授、株式会社アラヤの近添淳一主任研究員の共同研究グループは、脳活動の統計的モデリングを用いて、脳のデフォルトモードについて広く信じられている説を覆す発見をしました。
これらの研究成果は4月1日、米国の神経科学雑誌「Neuroimage」のResearch Articleとして掲載予定です(オンライン版では掲載済)。
ヒトの脳は、何もしていない時でも活発な活動を示しており、脳のデフォルトモードと呼ばれています。今回の研究では、脳のデフォルトモードの解析に広く利用されている手法を統計的モデリングによって検証し、その問題点を発見しました。その結果、脳のデフォルト状態が複数の安定状態から構成されているという、広く信じられている説が間違いである可能性が明らかになりました。
本研究成果は、認知症や精神神経疾患の診断に脳のデフォルトモードを応用するための重要な起点となることが期待されます。