慶應義塾大学理工学部応用化学科の高橋大介准教授、戸嶋一敦教授らは、メソジオールが有する等価な2つの水酸基を識別し、一方の水酸基に対してジアステレオ選択的に糖を付与する新たな触媒的グリコシル化反応の開発に成功しました。
メソジオールの水酸基に糖が結合した構造は、生命現象を司る生体分子やカナマイシン類などのさまざまな抗生物質に含まれていることから、長年、効率的な合成法の開発が望まれていました。しかし、従来の化学的手法では、等価な2つの水酸基を厳密に識別できないため、合成に多くの工程数が必要でした。一方、本手法では、酵素反応のように、糖を僅か1工程で、望みの一方の水酸基に対して、高い選択性で結合させることができます。そのため、本技術は、新規抗生物質の開発をはじめとし、創薬・医学・生物学分野に広く貢献することが期待されます。
本研究成果は、2020年5月15日、イギリスの総合科学雑誌「Nature Communications(ネイチャー コミュニケーションズ)」にオンライン版で公開されました。
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