T2K実験国際共同研究グループは、ニュートリノのCP位相角が取り得る−180度から180度の範囲から、おおよそ半分近くとなる−2度から165度の領域を99.7%の信頼度で排除することに成功しました。ニュートリノが空間を伝わるうちに別の種類のニュートリノに変化するニュートリノ振動という現象において、CP位相角は「粒子と反粒子の振る舞いの違い」の大きさを決めています。ニュートリノの基本的性質を示す量の1つであるCP位相角は、これまで全く値がわかっていませんでしたが、世界で初めて制限を与えることに成功しました。
慶應義塾大学理工学部物理学科 西村康宏准教授らが推進するT2K実験は、12カ国から約500人が参加する国際共同研究で、大強度陽子加速器施設J-PARCから生成したニュートリノを295キロメートル離れた岐阜県飛騨市スーパーカミオカンデで観測しています。2018年までに取得したデータを用いたこの研究成果は、2020年4月16日に総合学術雑誌「ネイチャー」で掲載されました。
本研究と結果の詳細な情報については、以下をご覧ください。
東京大学宇宙線研究所
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/news/8798/ (日本語)
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/en/news/8799/ (英語)
高エネルギー加速器研究機構
https://www.kek.jp/ja/newsroom/2020/04/16/0000/ (日本語)
https://www.kek.jp/en/newsroom/2020/04/16/0000/ (英語)
プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。