国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)研究所分子細胞治療分野(落谷孝広 プロジェクトリーダー [現 東京医科大学 医学総合研究所 分子細胞治療部門 教授]、松崎潤太郎 特任研究員)、中央病院骨軟部腫瘍科(川井章 科長、浅野 尚文 医員 [現 慶應義塾大学医学部整形外科学教室 助教])、分子発がん研究ユニット(土屋直人 ユニット長)らの研究チームは、悪性の骨軟部腫瘍を血液で高精度に識別可能な新規診断バイオマーカーを同定しました。
本研究では、悪性、中間型、良性の骨軟部腫瘍患者897例、健常人275人、他がん240例の血液中のマイクロRNAを網羅的に解析し、悪性の骨軟部腫瘍で高発現の7種のマイクロRNAを組み合わせ診断指標とすることで、悪性に対し感度90%、特異度95%と非常に高い精度検出可能であることを確認しました。本研究結果から、血清マイクロRNAを用いた診断が、骨軟部腫瘍における良悪性の早期診断や悪性腫瘍の再発モニタリングに有用である可能性が示唆され、今後の臨床応用を目指して、現在前向き臨床試験を実施中です。
本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクト」の支援を受け行ったもので、研究成果は英国科学誌「Nature Communications」に3月21日付で掲載されました。
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