理化学研究所(理研)生命医科学研究センター統合ゲノミクス研究チームの矢崎潤史上級研究員、小原收チームリーダー、理研生命機能科学研究センター細胞システム動態予測研究チームの城口克之チームリーダー、慶應義塾大学医学部の天谷雅行教授らの共同研究グループは、新しいタンパク質標識法である「タンパク質-DNA複合体作製法(ハロタグタンパク質バーコーディング法)」を開発し、次世代シーケンサーを用いたタンパク質の定量に成功しました。
本研究成果は、医療基礎科学、特に医療プロテオミクス研究に影響を与え、高精度な予防医学に貢献すると期待できます。
今回、共同研究グループは、クリックケミストリー反応と結合タグタンパク質のハロタグを利用して、標的タンパク質にDNA分子 を1対1で共有結合させてタンパク質-DNA複合体を作製し、この標的タンパク質に結合するタンパク質分子をDNAにより定量する新しいタンパク質標識法を開発しました。本手法は、従来のルシフェラーゼ法よりも 100~1000 倍以上高い感度を持ち、既報のタンパク質-タンパク質間相互作用の再現にも成功しました。また、自己免疫疾患の一つである天疱瘡症の抗原であるデスモグレイン3を用いた抗デスモグレイン3抗体の検出では、従来の ELISA法の100倍以上の感度を示しました。
本研究は、英国の科学雑誌『Nucleic Acids Research』のオンライン版(11月22日付:日本時間11月22日)に掲載されました。
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