慶應義塾大学医学部整形外科学教室の松本守雄教授、渡邉航太准教授、東邦大学医学部社会医学講座衛生学分野の西脇祐司教授、朝倉敬子准教授ら側弯症生活習慣研究グループは、東京都予防医学協会と共同で、日本人の思春期特発性側弯症(以下、側弯症)に関連する生活習慣について調査し、側弯症と食習慣には明確な関係はないことを見出しました。
思春期特発性側弯症は小学校高学年から中学生に発症する疾患で、成長するにしたがって背骨が捻じれるように湾曲します。側弯症の9割以上が女児で、その発生率は女子中学生の1-2%と言われています。
側弯症に罹患した児童及びその保護者は、摂取すべき栄養素・食品または摂取を控えるべき栄養素・食品について、日常の食生活に不安を抱えていますが、今までその疑問や心配に対して明確な答えはありませんでした。
このような現状を踏まえ、側弯症二次検診を受診した女子中学生2,431人を対象にレントゲン検査と詳細な食習慣についての質問票調査を行いました。その結果、過去の動物実験やヒトを対象とした研究で脊椎の発生異常等に関係していると考えられていた栄養素を含む、検討したすべての栄養素・食品摂取量と側弯症の間には明確な関係がないことを見出しました。
今回の結果によって、側弯症の児童やその家族が側弯症と食習慣の関連について正しい情報を得ることができ、生活上の不安が取り除かれると考えられます。
この研究成果は10月1日、人間栄養学分野の総合科学雑誌『Nutrients』に掲載されました。
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