慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授、栗原俊英特任准教授、大学院医学研究科博士課程の姜效炎(ジャン・ショウエン)らの研究グループは、新しいマウス近視モデルの確立に成功しました。このモデルは、3Dプリンターで作成した専用メガネをマウスに装用させ、近視の強さと相関する眼軸長を形態学的に精密に計測することで実現し、モデル生物でありながらこれまで近視誘導が難しかったマウスで安定性・効率性に優れた近視研究が可能となりました。本モデルマウスでは、眼軸長が伸長する人間の近視の特徴が十分に再現できており、アトロピン点眼が近視を抑制する現象を再現することに成功しました。マウスを用いることは、生体における遺伝子改変実験を行うことができる点で、細胞レベル、分子レベルでの病態解明研究に必須であり、このモデルマウスは近視の発症・進行のメカニズムの解明や近視の新しい予防法、治療薬の開発に大きく貢献することが期待されます。
今回の研究成果は、2月1日に学際的総合ジャーナル『Scientific Reports』(オンライン版)に掲載されました。
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