慶應義塾図書館(三田メディアセンター)所蔵の「論語疏 巻第六」が、このたび国宝に指定されました。本資料は、重要文化財に指定されてから1年を経て、その希少性と重要性があらためて評価され、国宝指定に至ったものです。
『論語疏』は『論語義疏(ろんごぎそ)』とも称される、中国南北朝時代の学者である梁の皇侃(おうがん)(488~545)の手による『論語』の注釈書です。この『論語義疏』は中国国内では散佚(さんいつ)し、国外にのみ伝本が存在した「佚存書(いつぞんしょ)」として広く知られています。今回国宝に指定された本資料は、『義疏』の成立から数十年しか経ていない6世紀頃の写本であり、平安時代前期には日本に伝来していたと考えられています。
中国から日本に伝来した資料のうち最古期のものであり、作成年代が近い皇侃・鄭灼(ていしゃく)撰「礼記子本疏義(らいきしほんそぎ)巻第五十九」(『礼記』の注釈書)(早稲田大学図書館蔵)はすでに国宝に指定されていることから、これに匹敵するものと評価されたことになります。