1月10日(土)、三田キャンパス西校舎ホールにて「第191回福澤先生誕生記念会」が執り行われました。慶應義塾の新年は、社中を挙げて創立者・福澤諭吉の誕生日を祝うこの日から始まります。
式典は、幼稚舎生と横浜初等部生による「福澤諭吉ここに在り」、ワグネル・ソサィエティー男声合唱団による「日本の誇」の合唱で幕を開け、続いて伊藤公平塾長が年頭挨拶に立ちました。
伊藤塾長は、公認会計士試験における大学別合格者数の50年連続1位の快挙や、世界各国のリーダーの来塾など、昨年の慶應義塾を振り返りました。あわせて、自国中心主義が強まる現代の情勢を『文明論之概略』が記された時代に重ね、福澤諭吉が説いた「独立自尊」と「智徳」の精神がいかに重要であるかを強調しました。そして、先人から受け継いだ歴史を次世代へとつなぎ、慶應義塾の精神をさらに発展させていくとの決意を述べました。
記念講演では、安西敏三甲南大学名誉教授が「福澤諭吉の智徳論-J. S. ミルとの関連を中心に-」と題して登壇しました 。安西氏は、福澤がJ.S.ミルの思想を参照し、個人の「私智・私徳」を社会全体に機能する「公智・公徳」へと高める重要性を説いた点を解説。因習的な「習慣」を打破し、絶えず智徳を磨き続ける姿勢こそが文明の礎を築くものであるとして、福澤の精神が力強く語られました。
講演に続いて、福澤家を代表し小山太輝君が挨拶に立ったほか、慶應義塾大学主催「小泉信三賞全国高校生小論文コンテスト」表彰状授与も行われ、最後は参列者一同による塾歌斉唱で式典を締めくくりました。
式典後は、生協食堂にて新年名刺交換会が和やかに開催されました。また、慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)の新春展2026「馬の跳ねる空き地」や、福澤諭吉記念 慶應義塾史展示館での「慶應義塾福澤研究センター新収資料展2026」には多くの参加者が観覧に訪れるなど、冬晴れのキャンパスは新春らしい華やいだ空気に包まれました。