8月29日(金)、日吉キャンパスにおいて「慶應義塾SDGs会議―2025塾生会議 サマー・キャンプ」を実施しました。今年で4年目となります。慶應義塾の小学生から大学生まで約60名が集まり、ディスカッションを通じてSDGs実現、さらにその先の理想の姿について考えました。
「塾生会議」は、全学部から選抜された大学生が、春学期は専門家のレクチャーを聞いてインプットを増やし、ヴィジョン・目標・ターゲットを議論、秋学期は慶應義塾のSDGsとして実現するアクションを検討し、最終的にまとめた提言を塾長に手渡します。サマー・キャンプでは、小学校、中学校、高校の一貫教育校生と議論をすることで、斬新なアイデアや思いがけないアクションの提案が生まれます。ここでの提案は、秋学期の塾生会議で共有され、最終提言に繋がっていきます。
奥田暁代常任理事が司会を務め、はじめに伊藤公平塾長が目標16「平和と公正をすべての人に」に関連し、戦争と平和について語りました。続いて、塾生会議のスーパーバイザーを務める政策・メディア研究科の蟹江憲史教授が、温暖化の進行の抑制による未来社会のジレンマについて、レクチャーを行いました。
1ラウンド目のディスカッションでは、「慶應義塾が2050年に目指すべき姿」をテーマに、「環境」「社会」「経済」「パートナーシップ」の4つのグループに分かれて議論しました。昼食を挟んで午後には、2ラウンド目のディスカッションを実施し、午前中に挙げた「目指すべき姿」に対して、「学校や慶應義塾がそれを実現するためのアクション」について検討しました。参加者が熱のこもった議論をしているあいだ、各一貫教育校の教員も別の教室に集まり、塾生会議プロジェクト代表を務める小林宏充法学部教授の司会のもと、各校でのSDGsの取り組みや今後の連携について協議しました。
最後に、各グループから、環境ポイントの導入、キャンパス内ビジネスの活性化、自家農業・自家発電、リサイクル、学校間の連携、留学生支援などに関してアイデアが提案され、参加者同士で活発な質疑応答が繰り広げられました。本日の取り組みについて、各一貫教育校の教員、山内慶太常任理事、最後に自然科学研究教育センター岡本昌樹所長から、講評が述べられ閉会となりました。
本サマー・キャンプは、小学校から大学までが協働する世界でも類を見ない取り組みです。参加者からも、満足度の高いアンケート結果が得られました。
一貫教育校にいるときから、SDGsや慶應義塾の未来の姿に思いを馳せ、大学生となって塾生会議に参加する、という継続的な学びへとつながっていきます。