7月12日(土)、第107回全国高等学校野球選手権神奈川大会の2回戦にて、慶應義塾高等学校(塾高)と慶應義塾湘南藤沢高等部(SFC高等部)が、夏の高校野球神奈川県大会としては史上初めて対戦しました。注目を集めた“慶應対決”は、塾高が勝利を収め、3回戦進出を決めました。
試合が行われたバッティングパレス相石スタジアムひらつかのスコアボード上には2枚の塾旗がはためき、グラウンドには同じグレーのKEIOユニフォームの選手たち、一塁側と三塁側の両スタンドからは「若き血」「ダッシュKEIO」といった同じ応援曲が流れる異例の試合。多くの義塾関係者が集い、記念すべき“慶應ダービー”を見守りました。
SFC高等部の応援席では「兄弟校ではあるが、ライバル心も持っている。神奈川には湘南藤沢高等部もあるのだということを、応援を通して伝えていきたい」と意気込む応援団の声が、選手たちの奮闘を後押ししました。塾高の應援指導部リーダーも「山田主将の選手宣誓に感銘を受けた。両校が最大限の力を出せるよう応援したい」と語り、試合を盛り上げました。試合途中、SFC高等部の花井主将の体調不良で試合が中断する場面がありましたが、治療後にグラウンドに復帰した際には、塾高スタンドから「がんばれ花井」コールが響き、花井主将が深く礼をする様子もみられました。試合後の塾歌斉唱時には、一塁側(SFC高等部側)のスタンドからも歌声が響くなど、グラウンドもスタンドも「いい顔」に包まれた試合となりました。
試合後の両チーム主将へのインタビューでは、守備時も慶應の応援曲が流れることについて「守備でも自分たちのチームを応援してくれていると思って臨んだ。新鮮で楽しかった」と声を揃えました。応援について、SFC高等部の花井主将は「塾高に比べて人数が少なかったと思うが、自分は全然そうは感じなかった。応援の声はしっかり届いていた」とし、「普段一緒に授業を受けている友達がたくさん来てくれたので、名前を呼んでくれると響くというか、本当に心のこもった応援をしてくれて嬉しかった」と感謝の気持ちを語りました。塾高の山田主将は「試合に集中すると応援が聞こえないこともあるが、今日はしっかり聞こえて本当に力をもらえた。こんなに応援してくれる人がいるんだ、自分も応援してくれる人たちのために全力でやるぞ、と『他喜力』がわいてくるのを感じた」と語りました。最後には花井主将から山田主将へ、「“慶應”を背負って一番上までいってほしい」とエールが送られました。
塾高は7月16日に山手学院とベスト16をかけて対戦します。埼玉大会で逆転サヨナラ勝ちを収め初戦を突破した慶應義塾志木高等学校とともに、引き続き、温かい応援をよろしくお願いいたします。