2022年度にスタートした「慶應義塾SDGs会議」は4年目を迎え、今年度も「2025塾生会議」が始動しました。「塾生会議」は、公募および本学の全学部からランダム抽出で選ばれた塾生たちが専門家のアドバイスを受けながらディスカッションを重ね、SDGsを実現するための慶應義塾のヴィジョン・目標・ターゲットを提言するプログラムです。
春学期はSDGsを取り巻く現状を講義・ディスカッションを通して学び、秋学期は「環境」「社会」「経済」「全体」をテーマとする分科会でのディスカッションを通して、慶應義塾長への提言をまとめていきます。
第1回の5月15日(木)には法学部小林宏充教授の司会で、イントロダクションが行われ、約80名の塾生が参加しました。伊藤公平塾長の激励に始まり、奥田暁代常任理事より4年目を迎える塾生会議の概要説明、塾生会議スーパーバイザーを務める蟹江憲史 政策・メディア研究科教授と国谷裕子 政策・メディア研究科特別招聘教授から、分断する世界におけるSDGsの現状とトランスフォーメーション(“Transform Our World”)の重要性を心に刻むようにとの言葉に、士気を高めました。
続いて、環境省の塚原沙智子氏をファシリテーターとして、SDGsカードゲーム「2030SDGs」に取り組みました。参加者は18の班に分かれ、あらかじめ配布されたお金と時間のカードを他の班と交換しながら、各班に与えられたゴール達成に向けて交渉します。経済成長重視の開発の結果としての世界の現状を認識しながら、環境や社会といった非経済価値も重視した持続可能な未来の実現を目指しました。
最後の振り返りの時間には、今回のゲームを通して塾生会議メンバーが導き出した未来社会を評価しました。班ごとの目的を達成するために行動する中で、すべての班の目標が達成される世界を目指して、班の中での合意形成や他の班と交渉によって、世界は確かに変えられることを、ゲームを通じて体験したことは大きな成果でした。今後の人類が目指す持続可能な開発目標を実現するために、慶應義塾がどのような目標を立て、どのような変革をする必要があるのか、2050年の目指すべき姿を見据えた最終提言に向けて、学びを始動しました。