2025年12月9日、OpenAIのChief Strategy Officer(CSO)ジェイソン・クォン氏が慶應義塾大学三田キャンパスを訪れ、伊藤公平塾長とともに包括連携覚書(MoU)のサイニングセレモニーに臨みました。本覚書は、「AI-Native University(AIキャンパス構想)」の実現に向けて、教育、人材育成、研究、倫理・ガバナンスなど幅広い領域で協力を推進するものです。
セレモニーでは、伊藤塾長が「AI-Native University(AIキャンパス構想)」の概要を紹介し、学問分野を問わず学生がAIを自在に扱える教育体制の確立、最先端の研究設備やデジタル環境の整備、そして学際的研究を通じた社会課題への貢献について説明しました。AIの進展が大学の学びや研究の前提を大きく変える中、“AIを使いこなす側の大学”として先頭に立つ意志を示しました。
続いて挨拶したクォン氏は、慶應義塾大学が150年以上にわたり日本の近代化と知的リーダーシップを牽引してきた歴史に触れ、「革新性と公益性を体現する大学との連携は、OpenAIにとって大きな意味を持つ」と述べました。また、今回のMoUについては、形式的な合意ではなく、高度なAIを責任ある形で教育・研究・社会へ届けるという共通の理念の表明であると強調しました。
慶應義塾は今回の協定を基盤に、AIリテラシー教育の高度化や学際的研究の充実、倫理に基づくAI社会実装のモデル形成を進めるとともに、今後3年以内に学生・研究者が最良の環境でAIを活用できる体制の構築を目指します。