6月12日、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長が慶應義塾大学を訪問し、ICCと本学は基本合意書(MoU)を締結しました。MoUの締結により、本学学生のインターン生としての派遣などによる実践的な指導の機会創出、教員の研究・研修上の交流が可能となり、将来的には本学学生の国際刑事司法や国際機関等での活躍の場の拡大や、国際刑事法、刑事法、国際法、国際政治学・国際関係学やその他の隣接する学問領域における研究上の交流の促進などが期待されます。
またMoU締結を記念して同日、赤根氏による講演会を三田キャンパスで開催しました。
本年3月に日本人として初めてICC所長に選出・就任された赤根氏は、学生をはじめとする200名にのぼる参加者を前に、「ICCは世界の刑事司法の発展に寄与できるのか―日本は、日本人はどう向き合うべきなのか」と題して講演を行いました。ICCが緊迫した国際情勢の中で、唯一の常設の国際刑事法廷として果たすべき機能と役割を示し、国際社会における法の支配の重要性について力説しました。引き続いて行われた赤根氏とフィリップ・オステン法学部教授による対談では、講演で赤根氏により提起された問題、とりわけ日本の立法課題や人材育成・ICC東京事務所構想などについてより深い議論が展開されました。参加者を交えた質疑応答では、国際司法に関心を持つ多数の学生から手が挙がり、赤根氏は質問に対して一つひとつ丁寧に受け答えるとともに、対話を通じて学生らに奮起を促すメッセージを贈りました。