3月7日(木)、慶應義塾大学 AI・高度プログラミングコンソーシアム(AIC)主催の「AIC Conference 2024」が、日吉キャンパス協生館2階のAICラウンジおよび多目的教室で開催されました。AICは昨年12月に、AIに関する教育・研究の拠点となるAICラウンジや生成AIラボを新設し、拠点を矢上キャンパスから日吉キャンパス協生館へ移転しました。そのお披露目も兼ねた本カンファレンスは、義塾内で文理を問わずAIに関連した研究に取り組むことをテーマに、学内外に広く発信し、ディスカッションすることを目指しました。
カンファレンスの冒頭、矢向高弘AIC代表/システムデザイン・マネジメント研究科教授が「今回は、義塾内で生成AIに関わる研究を行っている先生方の講演をメインとした内容となっています。ぜひ楽しんでいただきたい」と述べ、開会しました。続いて、伊藤公平慶應義塾長が、「これまでAICでは、プログラミングやAIの応用、データサイエンスに必要な数学などを学生同士が教え合い、共に高め合ってきた」と5年間の活動を振り返りました。さらに、「今後はAIの世界が急速に進化し、学びながら活用するだけでなく、新たな技術や法律の側面を含めた議論が重要になる。本日はそのための最先端の議論の場となる。どのような話題が出るか楽しみです」と挨拶しました。
講演セッションでは、杉浦孔明AIC副代表/理工学部教授をはじめ、法学部・文学部・理工学部など8名の教員が登壇し、AIに関連したさまざまな講演が行われました。君嶋祐子法学部教授は、「知的創造とは何か ~生成AIと知的財産法~」と題し、知的財産をなぜ保護するのか、誰を保護するのか、人とAIが創作したものは同様に保護されるのかについて講演しました。また、菅さやか文学部准教授は、「対話型AIとの関係性の構築と現実の認識」と題し、人が対話型AIとの間に主観的共有的リアリティを感じ、良好な関係性を構築し、現実を認識するための情報源として信頼するかについて講演しました。参加者は熱心にメモを取り、積極的に質問し、理解を深めました。
その後、多目的教室に会場を移し、10名の学生によるポスター発表が行われました。発表者と参加者が活発に質疑応答し、会場内は終始熱気に包まれました。
終了後には懇親会が開かれ、和やかな雰囲気の中で参加者同士がAI技術の進化や社会実装への期待、それに伴う影響や課題について多岐にわたる議論が交わされました。