2024年9月26日(木)、「慶應義塾大学再生医療リサーチセンター開所式」ならびに「殿町・羽田再生医療拠点キックオフシンポジウム」が、川崎市川崎区殿町の島津製作所 Shimadzu Tokyo Innovation Plaza内で開催されました。このセンターは、再生医療や疾患治療・予防に関する研究の進展と、それに必要な人材育成を目指す目的で設立され、国際的な研究拠点「キングスカイフロント」に位置しています。これにより、再生医療分野あるいは創薬分野のさらなる発展が期待されています。
■再生医療リサーチセンターHP:https://krm-rc.jp/
慶應義塾大学再生医療リサーチセンター開所式
開所式には、慶應義塾大学再生医療リサーチセンター長の岡野栄之教授をはじめとする慶應義塾関係者とともに、産業界、アカデミア、政界、行政などあらゆる方面から多くの著名な来賓にご出席いただきました。
はじめに慶應義塾大学の伊藤公平塾長による主催者挨拶を皮切りに、藤田医科大学の星長清隆理事長による特別挨拶が行われ、当センターと藤田医科大学との連携体制や再生医療の発展に向けた熱いメッセージが贈られました。その後、来賓からも祝辞が述べられました。まず、慶應義塾大学医学部卒で参議院議員の古川俊治氏が、慶應義塾大学が果たすべき再生医療におけるリーダーシップに期待を込めた祝辞を述べ、続いて神奈川県の黒岩祐治知事がビデオメッセージで、キングスカイフロントにおける産官学の連携の重要性について語りました。川崎市の福田紀彦市長は、川崎市が再生医療分野の国際的な拠点としてさらに発展していくことへの期待を表明しました。また、政府機関からも多くの祝辞が寄せられました。経済産業省商務情報政策局生物科学産業課の下田裕和課長は、再生医療産業の成長における公的支援の重要性を強調し、文部科学省研究振興局ライフサイエンス課の釜井宏行課長は、基礎研究と臨床応用を結びつけるための研究支援を継続する意向を示しました。さらに、厚生労働省医薬局医療機器審査管理の高江慎一課長からは、再生医療の社会実装を進めるための法的整備や制度的支援に関する祝辞が述べられました。
民間からは、再生医療をリードするHeartseed株式会社代表取締役の福田恵一社長(慶應義塾大学医学部循環器内科・名誉教授)も登壇し、産業界からの視点で再生医療の未来に期待を寄せたコメントがありました。
岡野栄之センター長による活動紹介では、再生医療リサーチセンターが果たすべき使命、センターにおける主要な研究テーマ(脊髄損傷をはじめとした細胞再生治療、筋萎縮性側索硬化症やアルツハイマー病等に対するiPS細胞創薬、あるいは次世代小型霊長類モデルであるコモンマーモセットを対象とした研究)について詳しく説明されました。岡野氏は、米国ボストンのライフサイエンス拠点であるケンダル・スクエアの例を挙げつつ、再生医療の実用化には持続可能なエコシステムの構築と人材育成が不可欠であると述べました。また、次世代を担う研究者の育成に力を入れ、産学官の連携を深めることで、世界に通用する先端研究をこの拠点で展開していくと語りました。
閉会の辞では、慶應義塾大学常任理事/殿町先端研究教育連携スクエア長の天谷雅行教授が、慶應義塾が参画する川崎市殿町・大田区羽田エリアを中心とした殿町・羽田再生医療拠点中核として、世界に通用する産業基盤作りと最先端研究に貢献することが示されました。