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2023/09/25
幼稚舎では六年生になると、地層の学習(理科)の一環で、塩原(栃木県那須塩原市)という有名な化石産地の木の葉石を使って、化石を見つける実習をしています。塩原は、およそ30万年前に火山活動で出来たカルデラ湖でした。児童は木の葉石を割って、湖を取り囲んだ木々の葉や、その森に暮らしていた昆虫などの化石を探します。 もともと授業の一環として行われていた実習でしたが、約十年前に当時在籍していた幼稚舎生(西村優大君)が見つけたアシナガバチの化石が、実は日本で初めて発見されたものだったことが、研究を通してわかりました。 この化石は体長およそ18 mmと大型で、前翅に亜縁室が三つあること、中脚脛節に棘が二つあること、翅を折りたためることなどの特徴からスズメバチ科(Vespidae)に属します。さらに腹部第 1節が長い柄状ではなく、短いつり鐘状の形態からアシナガバチ亜科(Polistinae)のアシナガバチ属の化石 Polistes sp.と同定されました。 アシナガバチ亜科は世界的に非常に多様なグループですが、その化石記録は少ないです。保管されていたこの化石について幼稚舎の高橋唯教諭が研究したところ、実は日本初、そして東アジアで初めてのアシナガバチ化石の記録になることがわかりました。この貴重な発見は2023年4月1日に発行された日本古生物学会の国際誌Paleontological Researchに掲載されました(同記事は電子版として2022年の11月に早期公開されています)。
高橋唯教諭のコメント 塩原湖成層から国内初のアシナガバチ属(Polistes)に含まれる化石を報告しました。実はこの化石は、小学校の授業(木の葉石を割って化石を探す体験)で見つかったものです。見つけてくれた方は大学を卒業されましたが、化石を見つけたときのことを覚えていてくれているそうです。その話を子どもたちに紹介したら、自分たちも先輩のように新発見してやる、と息巻いていました。
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