2023年10月24日、10月25日の両日、第19回日韓ミレニアムフォーラムが行われました。
2002年より発足したこのフォーラムは、日韓を代表する私立4大学である慶應義塾大学、早稲田大学、高麗大学、延世大学の学長等が相互の関係強化を目的に、毎年1回、各校持ち回りで主催しています。
学長セッションは、土屋 大洋常任理事がモデレータを担い、本フォーラムのテーマである“Roles of Higher Education for the Globalized World under Geopolitical Risks(地政学リスクの下での高等教育の役割)” に沿って、各大学の学長が発表を行い、引き続いて意見交換も行われました。伊藤 公平塾長は、高等教育におけるさまざまな課題への慶應義塾大学の今日までの取り組みを紹介しながら、流動的な世界情勢の下で、グローバルな教育研究機関として義塾は今後どうあるべきかについて見解を述べました。
学生セッションでは、4大学の代表学生が「日韓で加速する都市一極集中」「気候変動リスク」「地政学リスクと学生生活の相関関係」「地政学リスクマネジメント」など、さまざまなテーマを取り上げ、学生の視点から地政学リスクへの対応について発表と提言を行い、各大学学長が講評しました。
研究者セッションでは、義塾からは大串 尚代文学部教授、神保 謙総合政策学部教授の2名が参加しました。大串教授は、社会的危機の時代にあって、文学やマンガを通じて作家たちがどのような表現形態を模索し、またどのように危機に応答してきたのかについて、神保教授は複雑化の一途を辿る国際関係を背景とした地政学リスクについて、それぞれ専門的な見地から発表を行い、会場全体でも活発な意見が交わされました。