慶應義塾図書館では、11月14日(月)から第357回企画展示:究極の質感(マテリアリティ)西洋中世写本の輝き-慶應義塾図書館貴重書展示会ダイジェスト-を開催しています。
12月14日(水)から17日(土)までの4日間は、貴重な文化遺産であるグーテンベルク聖書の慶應義塾図書館所蔵本が3年ぶりに展示されました。グーテンベルク聖書は1455年頃にドイツ・マインツの金細工師ヨハネス・グーテンベルクが世界で初めて活版印刷技術を用いて印刷した聖書です。現存するのは48部とされ、アジアでは唯一慶應義塾図書館が所蔵しています。
グーテンベルク聖書の限定公開に合わせ、12月14日(水)、15日(木)には文学部の松田隆美教授によるギャラリートークが開催されました。今展示は2019秋に丸善・丸の内本店にて開催された、慶應義塾図書館貴重書展示会「究極の質感(マテリアリティ)」のダイジェスト展として、義塾図書館が所蔵する300点以上の中世西洋写本の中から、宗教写本や時禱書の数々、神学書など様々な種類の写本が展示されています。松田教授は、西洋中世写本について、日本国内では義塾図書館が突出して多くの資料を所蔵していることや、羊皮紙に書かれた手書き写本ならではの質感や美しさについて語り、展示セクションごとに見どころを解説しました。参加者は、松田教授が持参した15世紀にフランスで作られた写本の零葉に触れ、実際に羊皮紙の質感を楽しみました。展示物の中には13世紀頃に教科書として使われていた写本や、15世紀頃に貴族の女性がファッションアイテムとして持ち歩いていたと思われる写本など、大きさや用途も様々な写本に秘められたストーリーに参加者たちは興味深く耳を傾け、質疑応答も活発に行われました。