2020年10月7日(水)~10月13日(火)の7日間、丸善・丸の内本店4階ギャラリーにて、第32回慶應義塾図書館貴重書展示会「古代中世 日本人の読書」(主催:慶應義塾図書館、協賛:丸善雄松堂株式会社)が開催されました。古代・中世の日本において、主として読書の対象となった中国伝来の書物「漢籍」をテーマとし、古代から中世にいたる読書の様相を、慶應義塾図書館の蔵書でたどりました。
本展示会では、『論語』の伝世最古写本である『論語疏(ろんごそ)』が初公開されました。『論語疏』は正式には『論語義疏(ろんごぎそ)』と称され、中国六朝時代の学者として知られる梁の皇侃(おうがん)(488~545)による『論語』の注釈書です。慶應義塾大学の研究グループの分析により、隋以前の中国写本であると推定されました。まとまった紙の写本としては、仏典以外では現存最古級のものです。新聞をはじめとする各種媒体でも報道され、注目を集めました。展示監修者である佐藤道生名誉教授によるギャラリートークも複数回開催され、参加者は熱心に耳を傾けていました。
会期中の来場者は1,600名を超え、盛況のうちに閉会しました。本展示会の主な展示資料については、以下のウェブサイトをご参照ください。
慶應義塾図書館貴重書展示会
https://libguides.lib.keio.ac.jp/mit_annual_exhibition