慶應義塾では2014年度より、東日本大震災以降の電力事情、電気料金値上げへの対応および資源の有限性・環境保護などの観点から、各キャンパス単位で前年度の電力使用量を超過しないように電力使用を抑制することを目標に様々な節電対策を実施し、概ね目標を達成してきました。これらの対策は継続した取り組みが重要です。
本年度も昨年度まで同様に「節電目標」を設定し、節電措置を継続して実施していきますが、今年度からは、電力使用量だけでなくガス使用量も合わせたエネルギー消費原単位(※)を基準とする「省エネルギー目標」を設定し、「エネルギー使用量」を削減、地球温暖化防止ならびに環境負荷の低減を図ります。二つの目標は最終的に「省エネルギー目標」に一本化する予定ですが、当面、これまでの「節電目標」も並行して運用し、スムーズな移行を目指します。皆様のご理解とご協力をお願いします。
※エネルギー消費原単位
異なる単位を用いるエネルギー(電気・ガス)の使用量を合計するために、各エネルギーを熱量換算し、その合計値を各キャンパスの床面積で除して算出したものを「エネルギー消費原単位」といいます。
1.節電および省エネルギー目標(キャンパス単位)
(1)節電目標
三田・日吉・矢上・湘南藤沢・芝共立キャンパス:2017年度の電力使用量を超過しないよう抑制
信濃町キャンパス:2017年度の14%増の電力使用量を超過しないよう抑制
※信濃町キャンパスの目標値は「建築物エネルギー消費調査報告」(日本ビルエネルギー総合監理技術協会)の建物用途別エネルギー使用原単位より算出。
(2)省エネルギー目標
キャンパス毎に2017年度のエネルギー消費原単位を超過しないよう抑制
三田キャンパス : 906 MJ/㎡・年 以下に抑制
日吉キャンパス : 962 MJ/㎡・年 以下に抑制
矢上キャンパス : 2,438 MJ/㎡・年 以下に抑制
湘南藤沢キャンパス: 897 MJ/㎡・年 以下に抑制
芝共立キャンパス : 1,875 MJ/㎡・年 以下に抑制
信濃町キャンパス : 3,639 MJ/㎡・年 以下に抑制
※「エネルギー消費原単位」を省エネルギー目標の基準とする理由
「エネルギー消費原単位」は「エネルギー使用量」をそれと密接な関係を持つ値(義塾では床面積)で除したもので、各施設の「エネルギー効率」を表すため、建物の解体・新築による床面積増減などの影響を受けずに比較することができます。省エネ法など公的な評価や規制もこの数値を基準にしています。
2.対象期間
2018年度中
3.具体的運用例
昨年度までの対策を踏襲します。また、以下の運用については、教育・研究・医療環境を損なうことのないよう配慮しながら実施することとします。なお、個々の運用において、空室・不在時のこまめな消灯・空調の停止や電気機器類の省エネモード設定の励行をお願いします。
(1)施設改修などハード対策
・更新時の高効率機器採用
空調設備、照明設備などの更新時に高効率機器を導入します。
・省エネルギー効果の高い機器の更新
運転時間、点灯時間が長く、高い省エネルギー効果が見込まれる設備の更新を積極的に実施します。
(2)運用などソフト対策
・空調について
使用していない教室等の空調停止および適切な温度設定を行います。(設定温度については空調運用対象期間前に別途案内)
・照明について
使用していない教室等の消灯および安全性と必要照度を確保し、減灯を行います。
・エレベーターの稼動について
利用者に支障のない範囲で一部を制限します。
・電気機器等について
電気温水器・暖房便座等さまざまな電気機器類について必要最低限の稼動とする。また、持込電気機器類の使用は禁止とします。
・教室等の使用について
利用申請のない教室等は照明ならびに空調機の稼動停止を徹底します。
・啓発活動について
見える化(電力使用グラフ)・ポスター・各自が使用しているパソコン等の電源OFF(待機電力削減)・消灯空調停止のお願いを実施します。
・クールビズ・ウォームビズの奨励
教職員に対して、クールビズおよびウォームビズを奨励します。
対象期間は、クールビズ 4月20日~10月31日、ウォームビズ 12月1日~3月31日
なお、ウェブサイトで公開している慶應義塾の電力使用状況(グラフ)につきましては継続して公開します。
慶應義塾の電力使用状況