2018年12月1日は、「学徒出陣」からちょうど75年の日でした。この日と翌2日の2日間にわたって、三田キャンパス南校舎ホールにおいて、慶應義塾福澤研究センター「慶應義塾と戦争」アーカイブ・プロジェクトの主催によるシンポジウム・研究報告会が開催されました。
第1日目は、福澤研究センターのプロジェクトとして、2013年8月より開始された戦争期の調査研究の進捗状況の報告と、幼稚舎の疎開学園に関する資料集の刊行について5名の報告が行われ、京都大学、早稲田大学で同様の調査に携わる研究者と、白井厚名誉教授を交えたシンポジウム形式で討論が行われました。
第2日目は、慶應義塾に関連して行われているさまざまな戦争関連研究の報告会として9名による発表が行われました。内容は、「学徒出陣」の総人数に関する新資料、慶應義塾出身の特攻による戦没者・上原良司とその家族に関する資料調査、慶應義塾出身者2名を含む陸軍中野学校1期生18名の実像と映画『陸軍中野学校』の比較検討、幼稚舎疎開学園研究の課題、海軍の重要拠点で地下壕を有した日吉と鹿屋の研究、図書館旧館の戦災等の影響と免震化工事状況、日吉台地下壕を教材として活用する実践例などの多様な報告が行われました。
両日とも150人ほどの来場者があり、ホール前で行われた収集資料の展示や日吉と鹿屋の地下壕のVR展示なども好評を博しました。当プロジェクトは今後も調査研究を継続する予定ですので、引き続き関連資料等の情報をお寄せください。
「慶應義塾と戦争」アーカイブ・プロジェクト