10月19日(金)、英国オリンピック委員会(BOA)と慶應義塾大学は、日吉キャンパス協生館藤原洋記念ホールにて、「最高のパフォーマンスを保つには」と題するセミナーを開催しました。学生や教職員など、約140名が参加しました。本セミナーは2020年に向けて計6回実施予定で、今回はその初回です。セミナーは、英国のボート競技チームに焦点を当てながら、パフォーマンスの維持に必要なものは何かを探るものでした。
セミナーは、大学院メディアデザイン研究科(KMD)の稲蔭正彦委員長の挨拶により幕を開けました。稲蔭教授は、KMDと英国のつながりや、KMDが取り組んでいる「超人スポーツ」プロジェクトに言及しつつ、あらためて歓迎の意を表しました。続いて、東京大会で英国チームの副責任者となるポール・フォード氏が、組織として高いパフォーマンスを維持するための戦略と、事前キャンプの重要性について語りました。
次に、ボート競技のパフォーマンスディレクターであるブレンダン・パーセル氏が、過去にカヌーとトライアスロンの選手の指導に携わった経験から、同じアスリートでも競技が変われば必要とする支援体制が変わることを、具体的な事例により説明しました。ボート競技は、英国では、1984年ロサンゼルス大会以来連続して金メダルを獲得している唯一の種目ですが、その女子チーム監督であるポール・トンプソン氏が、チームが長期にわたり好成績を維持できている理由について解説し、講演を締めくくりました。
講演のあと、英国大使館のジェームズ・カーター氏の司会により、3名の講師への質疑応答が行われました。学生、教員、体育会関係者から多く手が挙がり、英国代表が日本で直面している課題は何か、なぜ慶應義塾大学を事前キャンプ地として選んだか、といった質問が投げかけられました。