2017年4月6日、レティシア スペイン王国王妃陛下が信濃町キャンパスに来塾されました。
王妃陛下の他、カルメン・ベラ・オルモ スペイン王国 経済・産業・競争力省科学技術イノベーション長官をはじめとした公式随員、スペイン大使館の関係者を含むご一行が訪問され、慶應義塾大学病院の最新医療に関する取り組みをご覧いただきました。
はじめに、3号館南棟で国立研究開発法人日本医療研究開発機構の末松誠理事長より機構の概要と、機構の主導のもと慶應義塾が主要拠点となり、診断不明患者の診断を目指す未診断疾患イニシアチブ(IRUD:Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases)について説明が行われました。続いて、竹内勤病院長より大学病院における診療の概要および臨床研究の状況について、山岡邦宏准教授より免疫統括医療センターで行われている医師、看護師、薬剤師によるチームアプローチについて、腫瘍センターの矢作直久教授からは、内視鏡による消化管腫瘍の低侵襲治療について説明がなされました。続いて、免疫統括医療センター・腫瘍センターとへ移動され、日本最大級の外来化学療法室や、免疫疾患やがんの専門家が協力して診療に取り組んでいる臨床の現場を見学されました。
その後、総合医科学研究棟へ移動し、臨床遺伝学センターの小崎健次郎教授より慶應義塾大学病院におけるIRUDの取り組みについて説明が行われた後、ゲノム解析の現場を見学いただきました。新規疾患の発見も含め、800名の患者さんの3割で診断がついていること、スペインも含めた海外難病専門医との連携により診断率の向上や治療法の検討が行われていることが紹介されました。
王妃陛下は、がんの研究や治療、難病診療のグローバルな取り組みに高い関心をもたれており、患者さん一人ひとりに向き合う慶應義塾の取り組みについて高く評価されていました。
慶應義塾大学病院では、医学部開設100年記念事業として新病院棟の建設を推進し、新病院棟を中核とした患者さん中心のクラスター診療の実現に向けた取り組みを進めています。今回の来塾は、スペイン王国との学術交流等の推進、友好関係の一層の発展に向け、意義の大きいものとなりました。