慶應義塾では、安心・安全を最優先に建築物等に使用されている吹き付けアスベストから発生する粉じんによる健康への影響が懸念されることに対し、1987年以降、文部科学省等の指示に基づきながら調査ならびに対処を進めて参りましたが、2016年3月17日に義塾および理工学部のWebサイトでお知らせしました通り、矢上キャンパス教育研究棟(23棟)において、2015年11月の改修工事中に天井材の剥離作業を行ったところ、塗装材の中にアスベストが含まれていたことが判明しました。これを機に、さらなる環境の安心・安全確保のために、義塾全体の施設における吹き付けアスベスト等の使用状況について再調査を行うこととし、専門業者により徹底的な調査を行いました。
調査の結果、複数の建物からアスベスト含有吹付け材が発見されましたが、いずれもアスベスト含有吹付け材の状態は安定しており、損傷、劣化等はないことが確認されました。また、空気中のアスベストの浮遊量調査を実施した結果、粉じんの飛散は認められませんでした。したがって、ばく露(曝露:さらされること)のおそれはなく、安全面で支障のないことを確認しています。
上記の通り、現在、安全性は確保されておりますが、経年による劣化、損傷等により、将来的に飛散する可能性がないとは言えませんので、アスベスト含有吹付け材の使用が確認された箇所については、定期的に点検・管理を確実に行いながら、安全な状態を維持して参ります。また、安全・安心な環境の確保に万全を期すために、維持管理を行った上で計画的に「除去」を行うなどの対策を講じて参ります。しかし、除去作業を行う場合は、アスベスト飛散のリスクも伴うため、安全確保を第一に、適切な時期と方法を十分検討した上で可及的速やかに実施して参ります。