3月14日(火)午前10時より、三田演説館にて、ティム・バーナーズ=リー氏に対する慶應義塾大学名誉博士称号授与式が行われました。
World Wide Web Consortium(W3C)ディレクターのバーナーズ=リー氏は、現代情報社会の基盤であるWorld Wide Web (WWW)の基本技術の発明および基幹となるシステムを開発し、1990年に世界で初めてのWebクライエントとWebサーバを作成しました。同氏の提案であるURL、HTTP、HTMLの各仕様はWeb技術が普及するに伴い、「いつでも、どこでも、どのデバイスからも」の理念に基づいたWebの利用を可能にし、世界の人々の生活を劇的に革新させました。そうした功績を高く評価し、名誉博士の称号を授与することになったものです。
授与式では、ワグネル・ソサィエティーが塾歌を歌うなか、バーナーズ=リー氏が入場し、バンミーター,ロドニー環境情報学部准教授の司会のもと、村井純環境情報学部長が推薦文を朗読しました。続いて、清家篤塾長がバーナーズ=リー氏に名誉学位記を授与し、ポール・マデン駐日英国大使から祝辞が述べられました。それに応えて、バーナーズ=リー氏から謝辞がありました。
閉式後、南校舎ホールにて記念講演会が行われました。講演会で同氏は、WWWを発明する過程でのエピソード、インターネットの変化についての見解やSNSの使われ方に関する意見等を語りました。最後は、2012年のロンドン五輪開幕式の際に同氏がツイッターで発した「This is for everyone」という言葉にちなみ、「これはすべての人のためのものです」という日本語で締めくくられました。講演後は村井環境情報学部長との対談が行われ、質疑応答では終了予定時間まで学生らからの質問が絶えませんでした。