2月7日(火)、信濃町キャンパス総合医科学研究棟1階ラウンジにて長寿クラスター・シンポジウム“Successful Brain Aging and Longevity”が開催されました。
シンポジウムでは冒頭、岡野栄之医学部長から長寿クラスターの柱である認知症研究、NMNの臨床研究、百寿者研究、社会保障システム研究のビジョンについて紹介がありました。
セッション1では神経変性疾患の分子メカニズムと臨床応用をテーマとし、生理学教室の前田純弘助教から、タウ蛋白の凝集がアルツハイマー病を引き起こす分子生物学的メカニズムについて、続いて、東京大学神経内科の岩田淳講師から、なぜ従来のアルツハイマー病の臨床治験が成功していないか、またアミロイドPETを活用したアルツハイマー病の早期発見と先制治療の可能性についての講演がありました。
セッション2では健康長寿のモデルである百寿者の多面的な研究をテーマとし、まず、人口統計学の第一人者である日本大学の斎藤安彦教授から、百寿者、スーパーセンチナリアンのデモグラフィーについての講演がありました。続いて百寿総合研究センターの佐々木貴史講師が、進行中のスーパーセンチナリアンの全ゲノム解析についての報告を行い、最後にFOXO3A遺伝子と長寿の関連を発見したハワイ大学 Bradley Willcox教授から、FOXO3A遺伝子が広範な代謝ネットワークを介して長寿と関連する可能性について講演がありました。
本シンポジウムでは、超高齢社会の最大の課題である認知症の対策に向けた取り組みと、認知症の低リスク群である百寿者の研究に焦点を絞り、塾内の学生、教員だけでなく、外部からも多くの研究者が参加し盛会となりました。