このコンテストは、毎年、小泉の命日である5月11日に応募がスタート。当初は学校単位での受け付け、また手書きでの応募であったが、近年は所定フォームから個人による応募となっている。
小論文の課題は年によって異なるがおおむね3〜6テーマが出題される。福澤諭吉に関連する課題のほか、近年であればエネルギー問題やパンデミック、SNS文化関連など、高校生世代に考えてもらいたい社会問題を積極的に取り入れてきた。
応募作品の質は開始以来現在に至るまできわめて高く、審査委員は大いに苦労しながら5編の入賞作を選定。毎年1月10日の福澤先生誕生記念会の中で入賞者の表彰式が行われている。
各学部のアドミッションポリシーでは、それぞれに理解力や分析力、構想力、表現力を求めている。小論文に取り組むことは、複数の文献や資料を読み解き、実証的に問題を解決していくことであり、それは慶應義塾伝統の「実学の精神」につながるのではないか。受賞者の多くが慶應義塾に進学していることから、コンテストに応募することで小論文の執筆力がついているのかもしれない。