一定の距離を保つ立ち位置を示した床のテープ、消毒液の設置場所を強調する矢印。昨今、街中で見かけることの多いこれらの仕掛けは、望ましい選択を自発的に促す行動経済学の「ナッジ」理論をCOVID-19対策に活用したもの。中村君が率いる看護医療政策学生会の2年生はいま、特に若者に響くナッジの研究に取り組んでいる。まず、全国の大学生約500人の意識調査から、何が・なぜできないのかを分析。消毒液を適正量使う工夫を施したノズルや、スマホケースと組み合わせた除菌シートなどの提案を目指す。「今後も、社会的影響力のある研究をしていきたい。認知症の方が快適に過ごせる施設の在り方や、障害のある子と健常児が共に教育を受けることによる効果にも関心があります」
(広報誌『塾』2021 WINTER(No.309)「Portrait」掲載時点)