「なぜ、大学を出ていない田中角栄が、東京大学出身が多い霞が関の知的エリートをコントロールできたのか、彼の卓越した人心掌握術が指摘されますが、それだけでしょうか。今日は田中角栄の演説を通して、その秘密を解き明かしていきます」(玉井教授)。
田中角栄の録音演説を再生し、丁寧な解説を加えていきます。大きく頷きながら聴く受講生。ここでは年齢を超えた学びの場が共有されていました。
この日行われていたのは玉井教授が担当する「『政治』を考えるヒント」と題された連続講座の4回目。教授が最終日のテーマとして選んだのが田中角栄についてでした。「政治というのは人間が行う本質的なものがたくさん含まれています。政治と聞いたら難しいと感じる人もいますけれども、そんなことはありません。とても人間臭いものです。だから面白い。そして、すべてのことに通じます。私の授業は、政治学を学んだことがないという人にとっても分かりやすい内容にしています」(玉井教授)。