慶應義塾

優れた学校教員を育てる方法を多角的に探究する

執筆者プロフィール

  • 佐久間 亜紀

    社会学研究科 教育学専攻 教授

    佐久間 亜紀

    社会学研究科 教育学専攻 教授

「いい先生」「力量の高い先生」とは、具体的には一体どのような教師のことをいうのでしょうか。私の専門は教育方法学で、学校教員の力量を高める方法や養成カリキュラムを、主に比較史的アプローチによって探究しています。時代や国や社会によって「優れた教師」の定義や要素は大きく変化しますし、教職に求められる専門性の内実も異なります。それゆえ私は、主に19世紀以降の日本とアメリカの教師教育の歴史を、教職の専門性の史的展開という観点から探究しています。私の研究の独自性は、この探究に女性史・ジェンダー史の視点を導入した点にあります。多くの国で教職は女性化されています。つまり、教育や教職をめぐる問題は、子どもを誰が育てるか、社会化された子育てが社会にどう位置づけられてきたのか、という問題と不可分なのです。新たな研究視角から、先行研究が見過ごしてきた事実を発見する作業は、スリリングな知的興奮に満ちています。さらにこれらの学術的知見をもとに、現代日本の教育現場における実践的問題の解決も探究しています。大学では教員養成の改善に取り組み、学校現場では授業研究や教員研修づくりに、現場の先生方と共働しながら取り組んでいます。